チューリッヒから帰国の途へ     前へ  home  次へ     
泣いても笑ってもスイスと今日でお別れ。有終の美をチューリッヒで
 
  
  7月27日
 
チューリッヒ空港からの飛行機の出発時間は15時35分、ゆっくり時間があるのでチューリッヒ観光。昨日インターラーケンまでの列車の中で、S夫妻から是非足を伸ばしてみたら、とラインの滝を勧められていた。写真入で作っておられたすばらしい行程表のその部分の1ページをいただいた。片道1時間くらいということだったので十分行けると楽しみにしていた。

ところが前夜、ベッドについてからいろいろ3週間のことを思い返しているうちに、亡くしたカメラの件で、カード会社のグリンデルワルトのデスクに問い合わせをしていたことを思い出した。持ち物にも保険がついていたので、保険金の請求について聞いていたのであった。保険金が下りるにはかなりの条件があるようで、とりあえず警察署への届出が必要とのことだった。警察の証明がどうしても不可能な場合は駅への届けの証明を提出して請求することになるが、それで通用するかどうかはここで回答できない、とのことだった。

私たちは朝早くから夕方までびっしりスケジュールを入れていたので、不確定な保険請求のためにスケジュールを変更する気持ちは全くなく、それっきり忘れていた。そのことをふと思い出して、少し時間の余裕がある明日、警察に行ってみようと思ったのであった。旦那は反対したので、私一人ででも行くからその時間市内散策で時間をつぶしてて、と言ったらしぶしぶ行くことに同意した。

チューリッヒ駅のコインロッカーに荷物を預け、駅の案内所やガードマンらしき人などに警察署を聞くが、みんな親切に教えてくれるのにちっともそれらしきところに行き着かない。1時間くらいうろうろしてとうとうあきらめ、街中を歩いててもし警察署が見つかれば行こうと散策を始めた。そうして歩くこと十数分くらいだったろうか、陸橋の側の建物の横で警察官らしき人が2~3人立ち話をしていたのが見えた。傍に行ってみるとやっぱり警官みたいでその建物は警察署だった。後で気づいたがその日は日曜日、本来休みだったのかも。入り口は開いていた。

受付の人にカメラを亡くしたことを告げると、英語がわかる係官を呼びに行った。次に現れた係官は背の高いハンサムな、そして人の好さそうな人だった。とても緊張していたので、少しだけホっとした。奥の部屋(取調べ室?)に通され、緊張が逆戻り。でもやっぱり優しかった。

駅でもらっていた届書を出して、片言で説明した。係官はゆっくりした話しぶりで、時には筆談で、笑顔を浮かべながら私たちに話しかけてくれた。たくさんいい景色を撮ったのでしょう、というようなねぎらいもかけていただいた。半分くらいは理解できないこともあったが、汲み取って調書を作り上げてくれた。閑散とした庁舎の中で、とても丁寧に気持ちよく対応していただいた。

サインをして、名刺までつけて、書類を封筒に入れて手渡された。本当にお世話になりました。ありがとうございました。



   
警察署傍の陸橋
グロスミュンスター大聖堂 フラウミュンスター
聖ペーター教会
街中にある噴水
ビュルクリ広場から見る大噴水
 
 
スイスのどの街にも本当に噴水がたくさんある。市街mapの案内に沿って歩くと必ず街角のなんでもないところにある噴水を回らせられた。何でこんな路地に入るの?と思うとその先には噴水があるのだ。中でもバスやトラムがっひっきりなしに通る道路の真ん中を占領して堂々としているベルンの11の噴水にはほんとに驚いた。

噴水の上を行くのが教会の群れ。どれも一つ一つとても美しい。でも違う街で同じ様な屋根の色、形、名前があったような気がした。街を歩いていて気がつくといつも鐘の音が鳴り響いていた。ハイキングしていてカウベルの音がいつも聞こえてきていたように。


最後までスイスの人の温もり、優しさ、さわやかな空気にたくさん触れた。
何とかもう一度来たい!との思いを胸に空港に向かったのであった。
 


前へ  home  次へ