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たくさんの人の善意に支えられながら、長年来の願いが最高の感動とともに叶えられた。
希望を持ち続けて、何とか夢を実現に結びつけたいという強い志をあきらめなければ、どんな願いも叶うんだということを身をもって確信した。

旅を終えて家に帰るといつも、日本の、自分の家の居心地の良さを見直して、普段何も感じないことに感謝するとともに健康のありがたさに気づかされるのだが、今回はそれに加えて心の充実感とでも言おうか、これまでとは違ったもの、すがすがしい思いがほんのりと駆け巡った。

それはスイスの自然美がそのまんま脳裏に染み込んでいたからだと思った。鮮明に。

何でそうなのか。今までと何が違ったのか。

一番は澄んだ空気、水、ガソリン車締め出しで守られた公害の少ない街、本当の自然の美しさに触れたからだと思う。青い空、白い山、緑の草原、色とりどりのお花畑、真っ青な湖、そしてとんがり屋根の教会。思い描いていたキャンパスそのまんまの姿がそこに待っててくれた。
真っ赤な列車も黄色いバスもみんなみんな自然美の中に計算されたように溶け込んでいた。消そうとしても簡単に消せないものが心の中を満たしていたのであった。

公害の少ない自然美、これこそが真の美しさなんだ。

滞在したホリデーフラット、シャレーは、そこから出歩かなくても十分静かなアルペン暮らしを楽しむことができる立地にあった。登山列車を利用しなくてもそこから歩いて多方面にハイキングに出かけることも可能だった。もし次の機会があれば、今度はゆっくり、のんびりするのもいいなと思っている。

スイスで長く暮らすことができれば、心も丸くなるのではと思う。スイスの人の優しさ、温もりはそこらへんからきているのだろう。交通マナーもすごく良かった。横断歩道に近づくと、走ってきた車が必ず止まってくれる。みんなそうなのだから驚く。歩道を歩いていて横断しないのに車が止まってくれて、何回も申し訳ない思いをした。日本では信号がない限り横断歩道で止まってくれる車をあまり見かけない。折角そういうマナーに触れたのだから、自分の運転中は少しでも真似したいと思う。そういえばハワイでもそれに近いものに出会ったことがあったっけ。


家に帰ったら、庭に置いてきた鉢植えが緑の葉っぱを保っていてくれた。聞くと私たちが出発した後、一雨もなかったらしい。かんかん照りの中でも枯れなかったのは、お隣の奥さんが水を撒いてくれていたから。ここでもまた助けをいただいた。有難い。

こうしてたくさんのかたがたから応援をいただいて私の大きな夢が成就したのであった。
感謝、感謝。私も何か人のお役に立てるようこれからも努力しようと思っている。




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