サンモリッツ(7月5日

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ベルニナアルプスの山々に囲まれた高原の町。標高1775mとアルペンリゾートでは最も高所にあり軽やかで澄んだ空気は「シャンパンのよう」といわれているらしい。特にウィンタースポーツが盛んで、スキーリゾート地として世界のVIPが集うところとして有名。サンモリッツ湖畔のバート地区のとても便利な立地に私たちのフラットはあった。

サンモリッツに着いたらいきなり雨発信。サンモリッツは晴天日が年間平均322日、もしも天気が悪かったらそれは珍しい体験かもしれないと地球の歩き方に書いてあった。喜ぶべきなのかなあ。
  1週間の行動 
曜日 夕方 view point 行               程
5 アルプスの少女ハイジ村 チューリッヒ → マイエンフェルト → サンモリッツ
         (ハイキング)
6 サンモリッツ湖、シルヴァプラナ湖、 サンモリッツドルフ→コルヴァリア→(ハイキングstart) チャンタレラ→サンモリッツドルフ(ハイキングgoal)       サンモリッツ湖周辺散策
7 温泉 サンモリッツ→シュクオル(ハイキングstart)→モッタナルンス→ブリュイ→フタン(ハイキングgoal)→シュクオル       シュクオル→サンモリッツ
8 ベルニナ急行の絶景 サンモリッツ→オスピッツオベルニナ(ハイキングstart)→アルプグリュム(ハイキングgoal)→ティラノ      ティラノ→サンモリッツ
9 ロゼックグレッチャー サンモリッツバート→スールレイ→ムルテル(ハイキングstart)→フォルクラスールレイ→ロゼックグレッチャー→ポントレジーナ(ハイキングgoal)→シルスマリア→フルチェラス→シルス→サンモリッツバート
10 ベルニナアルプスの絶景と4湖が連なる谷
サンモリッツ→プントムライユ(ハイキングstart)→ムオタスムライユ→セガンティーニヒュッテ→アルプラングアルト→ポントレジーナ(ハイキングgoal)→サンモリッツバート
11 万年雪のベルニナアルプスと氷河
サンモリッツ→ベルニナディアヴォレッツア→ディアヴォレッツア(ハイキングstart)→ベルニナディアヴォレッツア(ハイキングgoal)→サンモリッツ
  サンモリッツ周辺 
7月5日

    いよいよスイス暮らしのスタート。ハイジの故郷マイエンフェルトを経由して最初の滞在地サンモリッツに向かう
 
朝5時起床、朝食は6時から。昨夕は食事抜きと同レベルだったがさして空腹も感じない。
食堂では日本人のご夫婦が一組、もうすでにお食事中だった。

スイスのホテルの朝食はとてもシンプルと聞いていたので期待していなかったが、なんとなかなかのもの。低料金で泊まらせてもらってにしては大満足。


 
 

サラダとフルーツとヨーグルトのバー


 

パン、ソーセージ、チーズ、シリアル
クッキー、リンゴなどのコーナー


テーブル席

 

廊下の隅のアイスボックス

             画像は帰りの26日、再宿泊したときに撮影したものです

部屋に通じる廊下の端っこにはアイスボックスが設置されており、その前にアイスペールとともに水をろ過する(だろうと思う)装置の栓がついた360cc入りくらいのペットボトルがたくさん置いてあった。部屋の中にもこのペットボトルがあったので一ついただいて、私は旅行中ズーッとこれをお供にさせてもらった。

 
チューリッヒ からの車窓 7時39分、近くの駅から列車に乗る。今日から切符に悩まされなくて良いのが嬉しい。チュリッヒ中央駅まで10分。サンモリッツに向かう途中で、小さい頃からの憧れ、ハイジの育った村、マイエンフェルトを訪れる。

今日もまた最初に困ったことは荷物の運搬。スイスの鉄道は乗降ステップが3段あるのだ。大きな荷物を抱え上げるのがこんなに大変だとは思ってもいなかった。荷物だけ先に送るライゲゼペックの取り扱いは知っていたが、翌日でも時間の関係で受け取れないこともあるなどの情報があったので、一日中持って歩くのでもなし、と依頼するのを見送っていた。しかし初日からしてこれは間違いだったと反省。列車に乗り降りする瞬間がほんとに大変だった。おまけにインターシティなどの2階建てはやっぱり2階の座席が魅力。荷物は1階においておけばいいものを、心配で旦那はくっく言いながら二階に運んでいた。

1等車の座席は中通路を挟んで横3列、ゆったりと座れる。窓も大きくて贅沢気分満喫。発車するとすぐに乗車券の検札に回ってきた。スイスパスを入れるのに適当なカバーケースを探したが丁度合うのが見つからず、結局旦那が財布に入れていた。検札がくるたびにあわてて財布を出すので無賃乗車に間違われてはいないかと、最初おかしかった。
車窓は夢の中で描いていた風景そのもの。進行方向左側の大きなチュリッヒ湖に始まり、さらにヴァーレン湖など湖の青さ、山の緑、澄み切った空、そして緑の大キャンパスにポツリポツリとかわいい家が点在しているのだ。どこに行っても真っ先に教会のとんがり屋根が目に入ってくる。メルヘンの世界そのものが目の前に広がっている。うっとり。今日からこんな世界の中で生活するんだあ、心臓がパクパクしてきそう。


マイエンフェルト 赤の道 インターシティで約1時間のサルガンスで乗り換え、そこから普通列車で10分程度、マイエンフェルトに無事到着。無人駅のようである。コインロッカーがあったので荷物を預けようとしたが、スーツケースが入らない。ほかにないかと探すが、ない。さて、困った。ハイキングどころではない。

誰かいないかと小さい駅舎をぐるりと回ってみた。するとわずかの隙間から明かりがかすかに漏れ見えた。もしかしたら中に誰かいるかもと、線路に面した側の鍵のかかったドアをノックしてみた。ちょっと間をおいておじさんが顔をのぞかせた。駅員さんなのだろうか。荷物を預けたいがロッカーが小さくて入らないというようなことを伝えたら、おじさんは出てきた部屋で預かってくれると言った。そして何時に戻ってくるかと聞いたので2時間後くらいと答えたら、手元に持っていた時刻表を見ながら、2時間前後にその駅を通過する列車の時刻を指差して、その時刻に自分は来るから間違えないように、というようなことを言われた。赤の道をハイキングしたいが案内図はないかとたずねると、1枚の地図をくれた。でもこれはまったく解読不能だった。

10時20分くらいだったと思う、駅をスタート。地球の歩き方の案内ページを開いて駅前の通りを山に向かって歩く。案内の通り確認しながら進むが集落を通り過ぎるまではわかりにくかった。標識が見つからなかった。
ブドウ畑が見え出してからは赤の標識を確認しながら進んだ。初めて見る一面のブドウ畑は小さい実をびっしり下げて壮快そのもの。これがスイスワインの原形なのだ。ブドウ畑を過ぎると木々に囲まれた草原、そしてその先にハイジの泉があった。人気の地だったので観光客がいっぱいと思っていたら、意外なことに歩いているのは私たちだけ。そこからハイジホフを目指す道でやっと反対側から歩いてくる日本人の夫婦に会った。途中はカウベルと教会の鐘の音が澄み切った空間をさらにさわやかにし、まさにハイジの世界。まぶたを閉じてハイジが走り回っている姿を思い描いていた。

さすがにハイジホフあたりに来ると観光客が多くなって、さらには青の道を目指す人たちの姿も見えた。
マイエンフェルトの村ののどかな風景が広がり心を和ませた。ここからは広い道をマイエンフェルトの村に向かって降りるのみ、時計を見るとかなり予定より早そうな感じ。

村に近づくにつれもしかしたら予定の1時間前の列車に間に合うかも知れないと思い出し、少し無理するかなと半信半疑ながら足を速めた。列車の通過時刻は11時21分である。最後は走った。7分前に駅に着いた。1時間30分予定のコースを1時間足らずで回ってきた。しかし、約束のおじさんの姿がない。荷物が受け取れない。確認した時刻の中に11時21分は確かにあった。また鍵のかかったドアをノックしたが何の返事もない。折角走ったのにとしょげていると、おじさんが出てきた。3分前だった。預け料はいくらかと聞いたらNOという。大きな荷物3個も預けたのに。日本から持って来ていた飴の袋を2つ差し出したらとても喜んでくれた。おじさんありがとう。ここでも親切に出会った。


ランドバッサー橋 無事11時21分通過の列車に乗車、クールで乗り換えて一路サンモリッツへ。これからの区間は氷河急行と共有する区間である。氷河急行には1週間後のツェルマットへの移動のとき全区間乗ることで予約をしている。この一番人気の氷河急行の一番の見所が今から通る区間にある、ラントバッサー橋である。
氷河急行の移動日の天候が悪くて見えない時のために、天気の良い今日、一番の絶景をカメラに収めとこうと神経を尖らせながらその瞬間を待った。途中の車窓はどこもここも頭の中にあるスイス。当たり前。あれもこれもと旦那はシャッターを押し続けている。

トウージスを過ぎてからは石橋、ループトンネル、カーブと絶景の連続である。あ、橋が見えた、これかな、あれがそうかなと何べんも窓に顔を擦り付ける。とうとう本物だと思った瞬間はあっという間、森の向こうにはシャッターチャンスを待っていたマニアの姿が見えた。私たちにはまた1週間後がある、と今日のところは小手調べ気分。


サンモリッツ到着 予定の時間より1時間早い14時丁度にサンモリッツ駅に到着。これで4時には閉店すると聞いているスーパーでの買い物もできる、とガッツポーズ。駅に降り立って早速仲介会社に電話する。そこでフラットの鍵を受け取ることになっていた。

オフィスにすぐ行けるかと電話で聞いたら、まだ開いてないとの返事。4時からだと。確かにバウチャーにもそのように書いてあった。しかしその時間にこれない時は連絡くださいとも書いてあった。私は拡大解釈して決まった受付時間外に鍵を受け取りたい時は早くても遅くても連絡くださいと書いてあるのだと思っていた。折角ハイキングは走って、重たい荷物を持ちながら急いで来たのに、努力が水の泡。とたんにガックリ来た。どうにかならないかと粘りたかったが電話の先で片言ではどうしようもない。仕方ないので時間つぶしに観光案内所に行って資料をもらうことにした。

持って来た地球の歩き方に掲載してある地図を見ると近そうだったが、説明でずっと上り坂と書いてあったので案内に従い3番のバスを利用することにした。駅の建物を出ると丁度3番のバスが待機していた。ここのエンガディンバスはスイスパス有効と調べていたので運転手さんにスイスパスを見せて乗った。乗ったはいいが降りる停留所がわからない。2つ目くらいだろうと検討はつけていたが念のため運転手さんに観光案内所に行きたいと言ってみた。運転手さんはうなずいてやっぱり2つ目の停留所で降ろしてくれた。

ところがそこからがまたわからない。坂道をうろうろ、ひとつ手前の停留所まで戻って道沿いに探しながら歩くが全く見つからない。通りがかりの人に聞いてもわからない。途中の道路は工事中もあって砂利がごろごろ。スーツケースの車輪と私の膝から悲鳴が聞こえるようだった。

何人か目の人がやっと市庁舎を指差して教えてくれた。そこからは細い階段を上るか、ぐるーっと坂道を回りこむかでしかいけなかった。もちろん遠回りする方を選ぶしかなかった。わかりにくかったはずである。入り口が工事中だったのだ。バスで降りたところにもインフォメーションの表示は細い柱に小さく表示されたものがひとつあっただけで、気をつけてみてもまったく気づかないくらいのものしかなかった。

ここにはいろいろなガイドブックが揃えてあって、日本語表記のものもあった。地図と時刻表とハイキングマップとホリデーフラットの一覧が載っているホリデーガイドをもらった。そしてそれからいく仲介会社への行き方を尋ねた。ここからやっぱり3番のバスに乗り2つ目の停留所で降りるように教えてもらった。日本語のわかる人はいなかったが、でも笑顔でとても親切な女性で安心していろいろ聞けた。片言の英語でも何とかわかろうとしてくれてみな優しい。

もうとっくに3時を回っていたが昼食をとってなかったことに気がついた。昨日から食事どころではないことばかりが続いている。空腹も忘れている。近くにテラス席があったので旦那はビールとサンドイッチを頼んでデッキチェアーに座った。私は近くにCOOPを見つけていたので、まだ荷物は多いままだったがパンぐらい買おうとCOOPに走った。もうすぐ閉まるし明日も開かないと思うと、欲が出るものである。もうすぐフラットにつくからと、またひとつ手下げ袋を増やした。


フラットの カギの受け取り フラットの鍵を受け取るオフィスは4時きっかりに開いた。一番乗りで対応してもらう。すでに料金は支払い済みだったのでバウチャーを出して手続きはスムーズ。また一通り説明を受けたが、よくわからない。1週間後の鍵を返す時間だけはしっかり確認した。朝出発が早いので8時30分のところを15分だけ早めてもらって8時15分とした。ここまで届けにきて、サンモリッツ駅から9時18分発の氷河急行に乗らねばならないのだ。

鍵を受け取ったら、フラットまで案内してくれて部屋の使用についての説明をしてもらえるのかと思っていたら、とんでもなかった。何もない。それどころかお客は私たちだけでないのだ。私たちの後ろには2~3組の人が鍵を受け取るべく並んでいた。

そこからまた3番のバスに乗って3つ目の停留所の目の前に私たちのフラットがあった。


フラットに ついたよ
サンモリッツは高級リゾート地、そんなところに3つ星の意外とお手ごろ値で見つけたフラットはアパート形式の3階、期待したより明るく、広かった。いや広々としてるなと思ったのはベッドがなかったのだ。もうひとつ部屋があるかと探したが奥にキッチンがあるだけでない。よ~く目を凝らしたら壁に埋め込んであった。重い留め金をはずして倒すときれいにメークされたベッドが下りてきた。それが二つ並んでいた。ベッドの上にはケットもきれいにたたんで乗せてあった。家具類も引き出しや棚が多く整理するのにとても使い勝手がよさそうだった。キッチンはオール電化で大きなオーブンがついている。大きなピザが焼ける。お皿やワイングラス類も品質がよさそうだった。

ベランダからは山に登るケーブルカーが見え、ホテルの前の道を隔てたところは運動公園で、きれいなグランドをジョギングしている人の姿が見えた。芝生で独楽が回せるぞと旦那は嬉しそうだった。

サンモリッツの村は大まかにドルフ地区とバート地区に分かれている。私たちのフラットはバート地区にあった。


Kさんと合流

このサンモリッツで南国暮らしの会のKさんと落ち合う約束をしていた。Kさんは一足早くイギリス、フランスを回り私たちの日程に合わせてこの日から1週間、やはり別のフラットを予約して滞在することにしていた。夕方には到着しているはずと聞いていた携帯電話にコールするが繋がらない。おかしいと言いながらいろいろしていたらノキアの携帯が動かなくなった。全然ダメ。もう使えないのかなと思いながら、仕方ないので日本から持ち込んだソフトバンクの携帯でもう一度電話してみた。つながった。良かった。

後で聞くとノキアからの電話も繋がっていたらしい。まだフラットに向かってる途中で電話に出られなかっただけだったそうだ。ソフトバンクの電話のとき丁度フラットについて通話できたとのことだった。それにしてもノキアが動かなくなったのを何とかしなくっちゃ。

しばらくして日本から持ってきた私の携帯に着信音が鳴った。出ると、熊本の友人の声。今スイスなんだけどといったら、びっくりしていた。そのままの番号で普通に通じてしまうのだ。其の後旦那にもお誘いの電話がかかってきて、これは便利そうで、不便だねって話したことだった。

Kさんがわたしたちのフラットに来て、明日からの打ち合わせをした後、隣のホテルのレストランで食事をした。メニューを見せられてもわからない。丁度店の入り口に本日のお勧めメニューみたいな感じで掲出物があったので「Todey's Service Menu」 と言ってみた。通じたみたいでお店の人はその特別メニューが書いてあるメニュー表を取りに行き、私たちに見せながらコースにするかメインディッシュだけかと聞いたようであった。私たちはメインディッシュだけにしてビールを頼んだ。

運ばれて来た大きなお皿には大きな鳥のゆでたのとヌードル、にんじんのソテーがあふれんばかりに乗っていた。私は悪かったが残してしまった。淡白な味だった。これで一皿24.50フラン(約2700円)。

Kさんは英会話ができる。これからは心強い。難しいことは何でもたのも。


初日が終わった 今回はできるだけ自炊をして食費節減を考えている。今日明日の夕食は買い物ができなかったのでレストランに行くしかなかったが、でも弁当のおにぎりは明日から作ろうと思っていた。これからの1週間で使いそうな食器類と鍋などをみんな洗った。システムキッチンは広くて使いやすそうだが、一つ困ったのは食器乾燥機がなかったこと。持参した布巾で一つ一つ拭き上げねばならなかったのがきつかった。布巾は3枚持っていってたので、良かったあ。濡れた布巾は丈が高いワイングラスにかけて干した。

衣類を整理して、風呂に入って(ここも湯船がついていた)足をマッサージして、その後洗濯(洗濯機が見つからなかったので手洗い)をして寝た時はかなり遅い時間になっていた。おやすみなさい。




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